第62回講師交流会

2013年12月19日(木曜日)



講師 東海大学 常務理事 蟹江秀明先生


講演テーマ 「東海大学の現状と展望」

 本日のテーマが『東海大学の現状と展望』ということなので、今現在どういう現状に学園があるのかを改めて皆様と確認をしてみたいと思います。皆様もご存知の東洋経済2013年11月号で、“本当に強い日本の大学300”という記事が紹介されています。様々な観点から大学を評価してランク付けするものですが、東海大学は第16位にランクされました。評価項目としては、教育力・就職力・財務力等とされています。教育力は、現在基礎学力が低下していると云われる大学生が、入学から卒業までの間にどれだけの学力を身に付けられ、社会貢献できるように教育しているかを評価しています。就職力では、いわゆる就職状況が評価されますが、今年の3年生もようやく企業説明が始まる時期となってきました。現在は出来る限り3年間は勉強に集中させて、4年目は就職活動も並行する様念頭に置いて実践しています。財務力は非常に重要なランク付けの要因となっています。
 本学は、前年の26位から16位にランクアップしていますが、OBの皆様には大学は健闘していると評価していただいて良いと思いますし、この時代で前年を上回る事は非常に難しい事である事も理解願います。特色的にはANAとタイアップしたパイロットの養成、専門職への就職が強い大学として紹介されていました。また、朝日新聞による大学ランキング2014に於いては、2010年以降に会社を設立した社長の人数第6位、30代までの若い社長の人数第6位等と紹介され、非常に若いリーダーが育っている事が垣間見られ、我々学園としても誇れる良い傾向であると考えます。
 東海大学の財務状況は、近年少子化傾向により非常に厳しい状況でありましたが、ようやく上昇方向に変化しつつあります。基本的な学生からの納付額が概ね500億円なのに対し、医療収入はその金額を超えている事が特徴的となっています。東日本大震災以降被災地の医師不足が深刻化していますが、医学部は本学と近畿大学で30年前に出来て以来、新しい医学部が設立されないのが現状です。病院経営も非常に厳しい時期もありましたが八王子病院も黒字化を果たし、大磯も黒字転換が見えてきています。学生の受験料収入は減少傾向にありますが、これはどの大学も共通であり今後の増収にはあまり期待できないのが現状です。
 学園は、九州と北海道を独立化していましたが7年前より統合する事とし10のキャンパスを統合し文字通り全国規模となる事が出来ました。今般沼津校舎の募集停止、旭川校舎の教育業務の中止等も行われ、大きくするだけでは無く、時代の流れの中で整理も始めています。学生数は6500人を維持しつつ、2014年度の受験者数も前年比115%を見込めるようになってきました。現在は8キャンパス18学部77学科があり、薬学部を除けば必要とする学部が必ずある状況が構築されています。また、地域連携の大学経営活動が始まり、文科省からの助成を受けることも決まりましたが、文科省の本学への期待の現れであると自負しています。
 入試制度も大きく変わり、一般入試、推薦入試、付属校入試に加え、同窓会入試、自己推薦型入試、A0入試等多岐にわたる事から、何らかの入試が毎週実施されているような状況です。スポーツ・文化面での本学の活躍は皆様ご承知の通りであり、吹奏楽部は2年連続優勝の栄冠も得ています。箱根も本年予選会3位通過ということで、来年は箱根路を走る事になりますので、皆様のご声援をお願いいたします。
 皆様のご支援で本学も日々研鑚を重ねながら、国からも非常に期待の大きい学園となっている現状を、日頃の感謝の気持ちを持ちまして、現状の報告とさせて頂きます。

(第62回講演より、講演要旨及びその一部を掲載)


懇親会の様子